2014年8月29日

8月31日の原子力防災訓練・避難計画等に関する質問・要望書

福井県知事 西川一誠 様
福井県安全環境部危機対策・防災課 御中

 高浜原発3号機で重大な事故が起こったという想定で、8月31日に原子力防災訓練が実施されようとしています。防災訓練は実際に起こり得る厳しい事故時に必要な避難をできるだけ忠実に模擬したものでないと意味がありません。この点、今回の訓練では、事故経過の時間想定、避難の範囲(特に県外避難の計画がないこと)、避難に関与する車両等があらかじめ準備されていることなどで、実際の避難とはかけはなれています。これでは防災訓練の目的にある「住民避難体制の確立」とはほど遠いものとなっています。
そもそも福井県の避難計画自身に多くの問題点がある中で、拙速に防災訓練を実施することは、あたかも再稼働の準備が進んでいることをアピールするかのようです。
 さらに、福井県民はもとより、事故時に同時避難となる京都府とはほとんど調整もなく、避難先の兵庫県・関西広域連合や関連自治体・住民には説明もありません。関西広域連合は、8月5日に私たちが申し入れた時点では、福井県から防災訓練についての詳細は何も聞いていないと述べていました。
また、高浜町・おおい町・小浜市・若狭町の避難先となる兵庫県では、31日同日に南海トラフ地震を想定した防災訓練が実施されます。なぜこのような日が選ばれたのでしょうか。このことからしても、今回の原子力防災訓練の意図と実効性に大きな疑問を感じます。
私達はこの間、兵庫県を中心に避難先自治体を訪問し、避難者受け入れの状況等を聞いてきました。避難先体育館の割り当て等のマッチングのみが優先され、福井県・避難元自治体との連携が取られていない実態が明らかになっています。このような状況では、避難計画で住民の安全を守ることはできないと強く危惧しています。
 これらのことを踏まえて、以下の質問事項と要望事項に答えてください。
質問事項
【防災訓練に関する質問事項】
  1. 高浜町で回されている実施要領では、今回の目的に「住民の原子力防災に対する理解の促進を図る」がありますが、訓練の想定や内容について住民にはいつ説明するのですか。
  2. 今回の訓練では、車両等の手配が全て整った状況で開始されることになっています。実際の事故を想定すれば、「事前準備なし」で、「避難命令と同時に」、バス配車要請、要員配置要請等々が行われなければ意味がないのではないですか。
  3. 実際の避難先施設(体育館等)までの避難訓練ではなく、スクリーニング地点等で訓練終了としているのはなぜですか。
    (・小浜市の場合は、スクリーニングポイントの若狭町上中庁舎までで避難訓練終了。
    ・高浜町の場合は、きのこの森、「舞鶴東IC」、舞鶴港、までで避難訓練終了)
  4. 高浜町の場合、訓練の多くは「きのこの森」でスクリーニングを実施し、終了することになっています。「きのこの森」は高浜原発から約9㎞の地点です。スクリーニングは30㎞付近で実施する計画のはずですが、これはなぜですか。
  5. スクリーニングは車両・住民全員に対して実施するのですか。その結果は、住民一人一人に書面で知らされるのですか。
  6. 除染で出る汚染水の処理はどうするのですか。住民の除染はどのような方法ですか。
  7. 要援護者の避難訓練は、病院や施設でわずか数名しか実施しないのはなぜですか。
    (若狭高浜病院の場合は救急車1台で2名の避難、杉田玄白記念公立小浜病院も数名のみ等)
  8. 自衛隊や海上保安庁も参加し海上輸送の訓練が予定されています。高浜の音海地区では、住民の漁船1隻に6名が乗って、沖に停泊中の海上自衛隊の掃海艇「すがしま」に移動することになっています。津波や悪天候では漁船で沖に出ることは不可能です。訓練当日が「悪天候中止」となっているように、この計画に実効性があるのですか。
  9. 今回の防災訓練の前提となっている「事故想定」は何を元に決めたのですか。なぜ、関西電力が報告している重大事故を想定しないのですか。
【広域避難計画に関する質問】
  1. 広域避難については、県内避難と兵庫県への避難等各地区ごとに2通りの避難先が確保されています。
    • しかし、要援護者の避難先は県内避難のみです。これはなぜですか。
    • そのことを兵庫県・関西広域連合にいつ伝えたのですか。
  2. 在宅の要援護者の避難先は5㎞圏内までしか策定されていません。30㎞圏内の在宅の要援護者の避難先も策定すべきではないですか。
  3. 福井県が7月29日公表した「避難時間推計シミュレーションの結果」には多くの問題点があります。同時に避難する京都府民等については考慮せず、福井県民のみを対象としたのでは避難時間を予測することにはなりません。また、実際の避難先までではなく、30㎞圏外に出た時点までしか計算していません。さらに、要援護者の避難時間がまったく考慮されていない等々。
要望事項
  1. 今回の防災訓練は、「住民避難体制の確立」にはほど遠い訓練であることを表明すること。
  2. 防災訓練の内容・結果及び8月26日に改定された「広域避難計画要綱」について、福井県民はもちろんのこと、事故になれば同時に避難することになる京都府や、避難先である兵庫県・関西広域連合に対しても、各自治体・住民が参加できる公開の場で説明し議論すること。
  3. 住民の生命と安全を守る避難計画ができない限り、高浜原発・大飯原発の再稼働に同意しないこと。
2014年8月29日
避難計画を案ずる関西連絡会

2014年8月14日

市川町の文書回答(小浜市の避難先) 2014年8月14日付 原発事故時の避難計画に関する質問書の件(回答)

市川町の文書回答(PDF)

高浜原発において原発事故が生じた場合、市川町における甲状腺等価線量が57.4mSvとなるケースが認められ、IAEAの安定ヨウ素剤の予防服用を行う判断基準である50mSvを越える予測がでていることから、今後、備蓄・配布体制の確立が必要であると考えております。(回答より抜粋)

2014年8月11日

舞鶴市長宛:原発事故時の避難計画に関する質問・要望書

【質問事項】
  1. 避難先が被ばく・被災した場合について
  2. 汚染検査(スクリーニング)や除染を実施する避難中継所等について
  3. 汚染検査(スクリーニング)と除染の省略等について
  4. 汚染検査の基準120 Bq/㎝2(40,000cpm)について
  5. 避難経路と避難時間について
  6. 要支援者の避難について
  7. 複合災害について
【要望事項】
  1. 規制庁や福井県・関西広域連合が進める汚染検査・除染の省略では、舞鶴市民の安全を守ることはできず、避難先への汚染拡大を防止することもできません。そのため、汚染検査・除染の省略等に反対を表明してください。
  2. 住民の命と安全を守る避難計画ができない状況では、高浜原発、大飯原発の再稼働は認められないと表明してください。
  3. 福井地裁は、大飯原発3・4号の運転差し止め判決を出し、住民が勝訴しました。判決では、関西電力の地震想定や事故対策では大事故を防ぐことはできないことが明確に示されています。判決内容を読まれ、司法の判断を尊重し、大飯・高浜原発の再稼働に反対を表明してください。
ダウンロード:原発事故時の避難計画に関する質問・要望書

2014年8月5日

8月5日:関西広域連合へ避難計画の申し入れ

質問事項
  1. 兵庫県の放射性物質の拡散シミュレーションについて 
  2. 汚染検査(スクリーニング)・除染の省略などについて 
  3. スクリーニング・除染場所の候補地等について 
  4. 「避難行動要支援者の広域避難」について
要望事項
  1. 住民の安全を守るような避難計画の策定はできないことを表明してください。
  2. 原発事故から住民を守るため、高浜原発・大飯原発の再稼働を行わないよう国に強く要求してください。 
 ダウンロード:関西広域連合へ原子力災害の広域避難等に関する質問・要望書

8月5日:熊本県大阪事務所と鹿児島県大阪事務所に要望書を提出

熊本県大阪事務所と鹿児島県大阪事務所に要望書を提出
提出団体(16団体)

熊本県大阪事務所

要望事項
  1. いつまでも、熊本に安心して観光に行くことができるよう、また、安心して熊本県産の美 味しい食を味わえるよう、豊かな自然環境を守り続けて下さい。
  2. 九州電力川内原発の再稼働は認められないと表明してください。
熊本県大阪事務所へ要望書(PDF)


鹿児島県大阪事務所

要望事項
  1. 避難弱者を切り捨てることはやめてください。県民の安全を第一に考えてください。
  2. いつまでも、鹿児島に安心して観光に行くことができるよう、また、安心して鹿児島県産の美味しい食を味わえるよう、豊かな自然環境を守り続けて下さい。
  3. 九州電力川内原発の再稼働を認めないでください。
鹿児島県大阪事務所へ要望書(PDF)

2014年7月31日

高砂市の文書回答(京都府宮津市の避難先)2014年7月31日付 原発事故時の避難計画に関する質問・要望書について

高砂市の文書回答(PDF)

「田中原子力規制委員会委員長が、規制基準に適合しているだけでは安全とは言えない、という趣旨の発言をしていますが、安全と安心の確保が優先され、電力の安定供給という生活権が確保されなければならないと考えています。」(要望事項に対する回答より抜粋)

2014年6月11日

6月11日:小浜市と若狭町に避難計画について申し入れ

  • 避難先自治体は「自分の市が被災・被ばくすれば受け入れは困難」と述べているこのことを今後検討し、福井県にも伝えていく
  • 汚染検査・除染の省略等は、検討するように県の会議で発言していく
  • 問題は山積。国がもっとかかわるべき
  • 昨年の台風で孤立した住民も出た。原発事故と地震・津波の複合災害は検討していく
小浜市への質問・要望書(避難先の姫路市への申し入れを踏まえて)